コラム

 

世界エイズデー

記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

【2006年12月1日】

HIVエイズ・長野:きょう世界エイズデー 県内感染が拡大 /長野

 ◇現状では完治不可能/投薬である程度抑制----HIV

 ◇発症しても回復可能/発見が遅れれば死も----エイズ

 HIV(エイズウィルス)の感染拡大が指摘されている。世界で約3800万人に上ると推定されるHIV感染者・エイズ患者。日本での報告数は増加の一途をたどり、04年度には年間1000人を超えた。感染爆発への懸念がささやかれる中、長野県も例外ではいられない。1日の「世界エイズデー」に合わせ、改めてエイズ問題を考えたい。【川崎桂吾】

 HIVは体の免疫機能(抵抗力)を担っているリンパ球を破壊するウイルスである。抵抗力が弱くなると、健康時には感染しない細菌やカビに感染しやすくなる。こうした状態で、カリニ肺炎、カポジ肉腫など指標となる23の疾患を発症した時に、エイズ(後天性免疫不全症候群)と診断される。

 HIVを完治することは現状では不可能だ。しかし、投薬方法や薬そのものが進歩しており、発症をほぼ抑えることが出来るようになった。またエイズを発症しても回復は可能だが、発見が遅れた場合は、死に至るケースもある。

 ウイルスは感染者の血液、精液、膣(ちつ)分泌液、母乳に存在。性的接触や注射針の回し打ち、母子感染などが感染経路で、日常生活で感染する可能性はまずない。性的接触の場合はコンドームが有効な予防策。感染後1〜2週間で、発熱、発疹(はっしん)などの急性症状がみられる場合もあるが、ほとんど自覚症状がない。潜伏期間は10年前後で、気付かないまま感染を広げてしまう可能性がある。HIV検査の受診と感染の早期発見が重要となっている。

 県内すべての保健所で匿名、無料の検査を受けることが出来る。即日結果が判明する迅速検査も導入している。また、県内8カ所のエイズ治療拠点病院でも迅速、無料検査を受けることができる。詳しくは県のホームページ(http://www.pref.nagano.jp/eisei/hokenyob/aidsmessage.htm)。

 ◇全国2位

 県健康づくり支援課によると、県内で報告されている感染者・患者は352人(05年末時点)で全国で8番目だが、10万人あたりの報告数(02-04年平均)で見ると、1・260人で全国2位に跳ね上がる。東京都の3・018人に次ぐ数字で、近年に入り、感染が拡大していることが懸念されている。

 ◇“いきなりエイズ”

 県内の特徴は、診断時に既にエイズを発症している患者の割合が高いことだ。過去5年の感染者・患者の割合は、全国平均では全体の3割がエイズ患者で、7割がHIV感染者だった。県内の場合はこの比率が逆転し、エイズ患者が全体の6割を占める。HIVに感染した場合、10年前後の潜伏期間を経てエイズを発症するが、県では「多くの人が長期間、感染に気付かず過ごしている」として、検査体制の充実に力を入れている。

 ◇特別な病ではない

 国籍別では日本人が44・3%。年齢別では30-50歳代が全体の8割を占める。ただ20歳代のエイズ患者も報告されており、潜伏期間を考えると、10歳代の若者も決して無縁というわけではない。

 また、県内で特徴的なのは「異性間の性的接触」による感染がおよそ8割と、約4割の全国平均に比べて飛び抜けて高いことだ。同じく約4割を占める「同性間の性的接触」は県内では、わずか2%だ。特定のパートナーとしか性的接触を持たなかった人が、感染した例も報告されている。信大医療技術短大名誉教授の山田喜紹さんは「相手が一人だと思っていても、相手が過去にどのような性関係を結んでいるか分からない」と指摘。避妊具の着用など予防の重要性を訴える。

 県長野保健所は「HIVを外国の問題、自分たちとは関係ない病気と考えている人がいるが、それは間違い。自分たちの身近な問題ととらえてほしい」と話している。

    医事評論 大沼善誉

一般にエイズはエイズウイルスに感染した人が発症するといわれて恐れられている病気です。しかし、通常の生活を営んでいる方には他人事のようです。日本は島国のため他民族との交流が少ないことも影響していると思います。ところが長野県のように、環境の良かった県でさえ増え続けているということです。それに対して、県側の対策は、当然のごとくありきたりの検査を奨励し、化学療法による対症療法を行うだけです。

 実はここに、エイズ問題が隠されているのだと私は思います。その理由は、例えエイズであっても、ウイルスには変わらないからです。つまり、毎年冬に流行してきたインフルエンザと同じように、薬でウイルスを攻撃しても、ウイルスが全滅した年は、一度も存在していません。それどころか、年々人の免疫力が弱体化し、ウイルスに対する抗体がつくりにくい状態になって来ていると思うべきではないでしょうか?

 日本の若者の体力が年々低下していることにも目向けなければならない問題だと思います。エイズだけの予防薬で解決するような問題では決してないということを指摘しなければなりません。しかし、県も国も保健所も厚生労働省も皆コピーしたように薬が重要な鍵を握っていると、100年もの昔から伝えられてきた古い化学免疫療法のみにこだわり続けているのです。

 先進国では、日本以外の国では、エイズに感染する人が減少する方向にある中で、なぜ日本だけが増える方向にあるのか、具体的な対策について考えると、自治体や国の対策で本当に十分なのか、個々に真剣に考える必要があるように思います。

 つまり、先進国では、日本の若者だけが急激に体力が落ちてきていることと、エイズに感染する人が増えていることと同調していると見るべきではないかということです。

 もっと突き詰めて考えると、ウイルスから己を守っているはずの自己免疫力の低下こそ重大な問題であり、きちんと解決しなければならない問題だと思うからです。そこにたどり着くと、エイズであっても他のウイルスであっても必ず予防ができるのです。

なぜならば、あらゆるウイルスから身を守ることが健全な能力を持つ免疫力だからです


自然医学総合研究所所長
ナチュラルケアセンター院長
名誉医学博士 生化学博士
大沼善誉

 

  

 

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